株主優待廃止(改悪)リスク。廃止になりやすい株主優待(クオカードなど)。

株主優待廃止(改悪)の主な理由。

株主優待のコスト

株主優待を発行する場合、その分コストがかかります。

三月の株キチ
三月の株キチ

コスト見直しの優先順位を考慮すると、株主優待廃止はやむを得ないことです。

公平性の観点

株主優待は、小口投資家に有利な制度です。
逆に、大口投資家にとっては不利な制度とも言えます。
そのため、株主優待を廃止して、配当を増やすことで、公平な利益分配にする企業も多いです。

株主優待廃止:公表時間

大引け後(15時~17時頃)の発表が多いです。
ザラ場中の発表もたまにあるため、要注意です。

三月の株キチ
三月の株キチ

ザラ場中の発表はインサイダーが有利だと思うので、止めて欲しいです。

株主優待廃止(改悪)による株価の影響。

株主優待銘柄は全体的に割高。

株主優待の新設があった銘柄は、株価が上昇することが多いです。
そのため、株主優待銘柄は、同程度の銘柄と比較して、株価が割高であることが多いです。

株主優待廃止(改悪)で本来の株価に下落する。

株主優待銘柄は割高であることが多いため、優待廃止(改悪)の発表があると、本来の水準の株価まで下落することになります。

優待クロスの影響

優待クロスで株主優待を取得している銘柄が優待廃止(改悪)になった場合、株価下落による損失は避けることが出来ます。
ただ、クロス銘柄が少なくなる点で、影響はあります。

三月の株キチ
三月の株キチ

優待銘柄の数が少ない月の株主優待が廃止になると、影響が大きいです。

優待銘柄と非優待銘柄の比較

優待銘柄のメリット

優待銘柄は単元株の投資が多い小口の投資家に有利です。
一方、優待廃止で株価が下落する可能性も考える必要があります。

非優待銘柄のメリット

優待廃止(改悪)のリスクを考えると、株主優待制度の無い銘柄に投資した方が安全と言えます。
優待新設による株価上昇の可能性もあります。

優待廃止(改悪)が多い、株主優待の内容。

事業内容と関係が薄い株主優待

クオカード

株主優待の種類で最も多いのは、クオカードです。
そのため、クオカード優待は廃止になりやすいイメージが強いです。
企業側のメリットは、広告柄のクオカードの場合、多少の宣伝効果があります。
ただ、クオカードの購入費、事務経費など多くのコストがかかる優待でもあります。

おこめ券

おこめ券は440円の金券と利用出来ます。
しかし、販売価格は1枚500円です。
そのため、株主が受ける恩恵以上に、コストが大きい株主優待と言えます。

プレミアム優待倶楽部

近年、プレミアム優待俱楽部の株主優待を導入する企業が増加しています。
プレミアム優待倶楽部商品のコストの他、管理費も負担していると思われます。

三月の株キチ
三月の株キチ

プレミアム優待俱楽部は廃止が多いため、優待内容をプレミアム優待俱楽部に変更すると、廃止の前触れのように言う優待投資家も見かけます。

カタログ優待

自社商品と関係の無い優待カタログの場合、企業の負担が大きいため、優待廃止のリスクは高いと思います。
自社商品を選択出来る優待カタログの場合、優待廃止のリスクは低くなると思います。

長期継続優遇のある優待

長期継続優遇がある株主優待は、株主にとっては長期的に見るとお得です。
逆に、会社にとっては、将来コストが上昇するデメリットがあります。

三月の株キチ
三月の株キチ

長期優遇のメリットを数回受けただけで、優待改悪になる長期優遇銘柄もありました。

優待廃止(改悪)が少ない、株主優待の内容。

自社商品

株主優待の内容が、自社商品である場合、企業側のコストは低くなります。
自社商品の宣伝になるメリットもあるため、優待廃止のリスクは低くなります。

自社商品の金券(買物券・食事券など)

廃止リスクは低いですが、割引券に改悪されることがあります。
割引券なら、自社商品の売り上げにもなるので、それ以上の改悪は少ないです。
ただ、株主にとってはお金を使わなくてもいい株主優待のほうがありがたいです。

優待廃止(改悪)のリスク軽減のために。

企業の負担が小さい株主優待銘柄を買う。

企業が無理なく継続可能な株主優待の方が安全だと思います。

色々な株主優待銘柄に分散投資する。

優待廃止で10%くらい株価が下落することは多いです。
色々な株主優待銘柄に分散して投資していれば、優待廃止の影響を小さく出来ます。
株主優待銘柄のナンピン買いは慎重にしたほうがいいと思います。

コメント

  1. うさうさてっちゃん より:

    はじめまして。うさうさてっちゃんです。3月の繁忙時期に申し訳ありませんが、質問させてください。

    優待クロスを初めてから1年半ほどたちます。殆どノーリスクで利益を得られるので私の人生において
    はかなりの気づきと思っております。そこで質問なのですが、今後この先5年、10年先も優待クロス
    で儲けられることに障壁はありますでしょうか?(今後も年々儲けにくくなるような傾向はありますで
    しょうか?)もうすぐ定年退職ですが、1000万~2000万の運転資金で継続的年利3~4%ほど
    利益が得られそうなので労働による時間やお金から解放されそうです。長年クロス取引で利益を得られ
    ている方の見解をお聞きしたいです。

    • 三月の株キチ 三月の株キチ より:

      うさうさてっちゃんさん、はじめまして。
      優待クロスは、生活費の助けになるだけでなく、ゲーム的な楽しみもあるため、私にとっても大きな気づきでした。
      ただ、優待クロスは年々参加者が増えていると感じていて、年々争奪戦が大変になっています。
      約6年前は、カブコムの抽選とSBI証券の争奪戦に権利日の5日前から参加するだけで普通にクロス出来ましたが、最近は1年中、争奪戦に参加しなければならない状況になりました。
      今後、参加者が更に増えると、優待クロスで優待を取るのが難しくなるかもしないと思っています。

      • うさうさてっちゃん より:

        お忙しい中、回答ありがとうございました。最近参加者が増加傾向にあり、投資に関するお仕事量が
        増加傾向にあることが認識できました。今後さらなるリサーチ等必要と感じました。そこでまた恐縮
        ですがもう1つ質問させてください。

        参加者側の影響の他に、企業側の方針等には傾向はございますでしょうか?例えばオリックスやサイ
        デリア等、株主還元に対する考え方を変えてきたようなところも見受けられます。確か株主優待制度
        は日本特殊な制度であると見たことがあります。すぐにはこの制度は簡単には無くならないと思いま
        すが、将来的にどのような予測されますでしょうか?ご意見をいただければ有難いです。

        • 三月の株キチ 三月の株キチ より:

          必要な株式数が、東証1部の2000人以上からプライム市場の800人以上になったことにより、株主優待がなくても株主数を確保できる企業が増えているため、ある程度大きな会社の株主優待が廃止される可能性が高くなると言われています。
          一方、小さな会社が株主優待を導入する可能性は少し高くなったと思います。
          ただ、株主優待制度は、小口の株主が有利な不公平な制度であるため、将来無くなる可能性もあると思います。

          • うさうさてっちゃん より:

            ご多忙中、回答ありがとうございました。徐々にではありますが株主優待で利益があげずらくなる傾向があることで認識いたしました。
            1つのことに固執せず、臨機応変に投資活動と続けたいと思いました。儲けうことばかりに気を捕らわれると空しいですが、色々な企業
            を知ることができてためになると感じました。