複利効果の大きさは、ドラえもんで学んだ。複利の計算は「72の法則」を知っていれば出来る。

お金を働かせて稼ぐ。

私が小学生の時に定期預金を始めた時、利息は6%でした。
お年玉は10000円くらい貰っていました。
10000円をどうするか、複数の選択肢があります。

お年玉をどうするかの選択肢
  • 1:今、10000円で欲しい物を買う。
  • 2:今、使うのを我慢して、1年後に10600円分欲しいものを買う。
  • 3:毎年、利息の600円だけを使い、ずっと利息を貰い続ける。
  • 4:2年目は、増えた利息の600円を合わせた10600円で複利で運用する。

小学生の私は、1~3の選択肢があると考えました。
貯金が好きな私は、今欲しい物を買うのを我慢して、10000円を1年間定期預金にしました。
1年後、10000円のお金が10600円に殖えている通帳を見て不思議な気がしました。

何もしないでお金が殖えることに興味を持ったのはこの時からです。
お金が本人の代わりに働いてお金が増えたということは後で知ることになりました。

複利効果の大きさについて

複利効果とは。

運用で得た収益をふたたび投資することで、利息が利息を生んでふくらんでいく効果のことです。

「ドラえもん」の「ボーナス1024倍」が複利効果を教えてくれた

殖えた利息分のお金を使わずに、複利効果でお金が殖える速度まで上げることが出来るとは気づきませんでした。
複利効果の大きさを教えてくれたのは、当時読んでいた「ドラえもん」の漫画でした。

ドラえもん 第3巻 ボーナス1024倍

パパがボーナスを貰ったら自転車を買って貰う約束だったけど、屋根や浴槽の修理代などがあるから、また今度と言われてしまいます。
そこで、のび太がボーナスを増やす機械が無いかドラえもんにお願いするけど、そんなのあれば苦労しないよと言われてしまいます。
頭のいいドラえもんなら何とかしてくれるとおだてられて、ドラえもんはいい方法が無いか考えます。
そして、銀行に預けてお金を増やすことを思いつきます。

三月の株キチ
三月の株キチ

「銀行にあずけると利子が付くんだよ。」
このセリフから分かるように、昔は利子が付くのが当たり前でした。

子どものマンガですが、実は複利効果の大きさについて教えてくれています。
100年預けると1024倍になるというのは、私を含め多くの子どもに衝撃を与えたと思います。

複利効果のすごいところは、金利で増えた分にも次の年には金利が付くことです。
複利の効果で億り人を夢見る人は多いと思います。

金利推移

定額貯金で資金が大きく増えた時代があった

西暦
(年)
郵便定額貯金
3年(%)
長期国債
10年(%)
銀行住宅
ローン(%)
郵便定額貯金
10年後(倍)
19736.757.30291.92
197488.4149.482.16
197578.22791.97
197678.22791.97
19775.56.6837.921.71
19784.756.187.621.59
19796.257.7888.221.83
19807.258.2278.522.01
19816.58.3678.341.88
198267.9698.461.79
198367.6988.11.79
19845.756.9697.741.75
19855.756.5827.681.75
19864.015.4545.51.48
19873.6455.71.43
19883.644.8115.71.43
19894.575.30661.56
19906.336.7998.51.85
19915.555.8366.91.72
19924.074.7635.71.49
19932.053.4693.81.22
19943.154.5541.36
19951.152.9072.6251.12
19960.82.7512.6251.08
19970.451.9912.6251.05
19980.250.9722.51.03
19990.21.8362.3751.02
20000.21.6632.51.02
20010.071.3112.3751.01
20020.071.0072.3751.01
20030.061.382.3751.01
20040.061.4452.3751.01
日本銀行資料 金利推移

過去の日本の金利水準を確認します。
ドラえもん第3巻が刊行されたのは1974年10月です。
1974年の郵便定額貯金の金利は年8%でした。
1.08を10乗すると2倍を超えるため、10年定額貯金にすると資金は2倍以上になります。

三月の株キチ
三月の株キチ

家には海江田万里さんの財テクの本がたくさんありました。
「ビック」、「一時払い養老保険」などの利子は8%を超えていたのを覚えています。

金利推移:郵便定額貯金・国債・住宅ローン

その後の金利を見ると、大きく下がっています。
バブルがはじける前はそれなりの金利がありました。
1990年の総量規制でバブルが弾けてから、金利は下がっています

72の法則について。

資金が2倍になる期間は簡単に計算できる。

ドラえもんは、「定期預金だと10年で倍くらいになる。」と計算もしないで言っています。
ご存じの方も多いと思いますが、資金を10年で2倍に増やすために必要なおおよその運用期間は簡単に計算することが出来ます。

72の法則の数式

「72の法則」と呼ばれる式でお金が2倍になる期間を計算出来ます。

72の法則

72÷金利≒お金が2倍になる期間(年数)

8%なら72÷8≒9年となります。

72の法則よりも正確に計算するには。

金利72の法則69.3で計算
1%7269.3
2%3634.7
3%2423.1
4%1817.3
5%14.413.9
6%1211.6
7%10.39.9
8%8.7
9%7.7
10%7.26.9

72の法則は、「ln2×100=69.3147…」から、約数の多い72を採用した法則です。
8%あたりでは誤差が少ないのですが、金利の低い現代ではやや誤差が大きくなっています。
69.3で計算すれば正確な値に近くなりますが、暗算で計算出来なくなります。

複利効果を生かすためには、金利の低い現在は株式投資などリスク資産に投資するしかない。

三月の株キチ
三月の株キチ

預金でお金が殖やすことが出来た、昔が懐かしいです。
今は自分で運用しなければなりません。
8%は無理でも、ある程度の利回りで運用したいものです。

長期投資でゆっくりお金を殖やすのは可能。

長期投資で配当と優待を貰っていれば、ある程度の利回りは確保出来ると思います。
株は預金と違って、株価が大きく変動することがあります。
多少の株価の変動に動じない心が必要です。

短期間で資産を殖やそうとするとリスクが大きい。

レバレッジをかけて投資をすると、短期間でお金を殖やすことが出来ます。
しかし、大きく株価が下がった時に、強制決済等で退場となる可能性があります。

三月の株キチ
三月の株キチ

手っ取り早くお金持ちにになりたい気持ちは理解できますが、無理をして逆にお金を無くすこともあるので注意が必要です。

72の法則:短期間でお金持ちになるために必要な運用利回りはの計算。

短期間でお金持ちになりたい人は、どの程度の利回りで運用すればいいか興味があると思います。
72の法則を使うと、計算することが出来ます。

お金を2倍に殖やすために必要な運用利回り

72÷投資期間≒お金を2倍にするのに必要な運用利回り

3年で資金を2倍にするために、必要な運用利回りは24%というわけです。
利回り24%で運用すれば、6年で4倍、9年で8倍、12年で16倍に資金が増えます。

三月の株キチ
三月の株キチ

「自分なら年利24%は簡単」という人もいると思います。
3年程度ならその成績を出せる人は多いですが、長期に渡って成績を残すのは大変です。
リスクの高い投資をして破産する可能性もあるので、無理をしないようにしましょう。

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